蒸留計算 レイリーの式
東京理科大学教授  大江修造

単蒸留の計算例をレイリーの式により分かりやすく示しています。焼酎やウィスキーなどの蒸留酒は単蒸留により製造されています。Excelでの実行例を示していますので、参考にしてください。本サイトは理想溶液用ですが,非理想理想溶液についても同様に計算できます.

大江修造著 「蒸留技術大全」 p.138-140, 日刊工業新聞社(2017)


単蒸留(回文単蒸留)の計算法



込組成 xF: 60mol%仕込量 F100k-molとした場合の、釜残量 B, 留出組成 xD および収率 η をレイリーの式により求めます。ただし、相対揮発度(比揮発度)は2とします。



レイリーの式



計算のポイント

積分(図積分・面積)→ 缶残B → 留出組成 xF → 収率


レイリーの式の左辺の計算法(図積分



レイリーの式の計算



前図の区分により、各部の面積を求め、その合計面積を図積分の値とします。




上の式において、F は仕込み量ですから、釜残量 B を求めることができます。B が求まれば、物質収支から留出量 Dを計算できます。したがって、前掲の式により xD を決定でき、かつ収率 η が求まります。

計算結果

釜残量 B 16.3 k-mol/h

留出量 D 83.7 k-mol/h

留出組成 xD はモル分率で0.658ち,65.8モル%

収率 η 0.919即ち,91.9%




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